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平成28年税制改正要望(日本税理士連合会)

平成28年税制改正要望(日本税理士連合会)

毎年ある税制改正ですが、主な流れは
税制改正要望⇒税制改正大綱⇒税制改正
という流れです。
様々な団体から税制改正要望が提出され、それを審議してまとめたのが税制改正大綱。
税制改正大綱に載ってきたものは、基本的のそのまま税制改正になるとされていますので、税制改正大綱を抑えるのが一番いいのですが、税制改正大綱は年末に発表されます。

今回は、日本税理士連合会や日本税理士政治連盟が発表している、税制改正要望を見ていきたいとも思います。
まだ「要望」段階なので、今回の税制改正に取り込まれるかどうかは分かりませんが、将来的に取り込まれる可能性もありますので、その影響を見ていきたいと思います。

1.消費税の基準期間制度

 全ての事業者を課税事業者とし、その年の課税売上が1千万円以下の事業者を申告不要とする。課税事業者の条件が変わると消費税還付がやりにくくなるかもしれません。ちなみに、この要望は前から出ているものの、税制改正大綱には織り込まれていません。

2.消費税の簡易課税制度

 消費税の簡易課税制度のみなし仕入れ率を引き下げようというお話です。
 平成27年4月から変わっていますが、さらに引き下げようということです。
 ここで重要なのが、引き下げる代わりに、設備投資をした場合には別枠を設けるという内容が入っています。今までは簡易課税制度だと、消費税還付はできませんでしたが、この制度が導入されれば、簡易課税制度を選択していたとしても消費税還付ができるかもしれません。(内容次第ですが)

3.消費税の単一課税制度

 消費税率を10%に挙げる際に、生活必需品などは低い税率にするなど、複数の消費税率を設ける案が出ていますが、税理士会は反対しているんですね。
 線引きが難しいのと、実務的に複雑になるためでしょう。
 確かに、レジなどの設定変更や会計システムの変更など、いろいろコストがかかり、結果的に10%に上げた意味がないということにもなりかねませんね。

4.役員給与

 役員報酬は恣意性が入ってしまうと、利益の調整に使われてしまうため、経費計上できるには条件があります。毎月一定額や事前に届け出た金額でなければ、経費に落ちません。
 つまり、功績をあげた役員に対してご褒美として一時金を支給した場合、これは経費に計上できません。これをできるようにしようというのが、この要望です。
 条件次第ですが、物件売却した場合に役員報酬が増やせるかもしれません。

5.退職給付引当金

 将来退職する時に備えて、少しずつ積み立てていこうというのが、この引当金というものです。
 これは、現状では経費に落ちないのですが、これを経費に落ちるようにしましょうという要望です。
 こうすれば、退職金を支払いやすくなりますし、不動産所有法人に対してはメリットがありそうです。

6.減価償却方法の選択制

 減価償却方法には定額法と定率法があり、建物以外は選択制を導入しています。しかし、政府が定額法だけに統一しようということを考えています。
 これに税理士会は「待った!」と言っているのです。
 確かに、定額法はシンプルでいいけど、資産価値の変動を表すためには定率法が実態に合っているように思えます。(車の資産価値の低下幅は1年目の方が5年目よりも大きい)

7.土地建物の譲渡損益

 個人の場合、土地と建物を売却した時の損益は「譲渡所得」と言って、不動産所得や給与所得などと別枠計算でした。
 ですので、譲渡損失が出た場合、損失は節税効果を生まないことになります。
 しかし、これを相殺可能とすることで、眠っている遊休資産の流動性を高めようという狙いです。

 こうなれば、個人で損失が出そうな不動産を持っている人がいても、相殺できますね。しかし、逆にいうと、譲渡益がたくさん出る状況だと、合算されて個人の累進税率が適用されてしまうとなると、恐ろしいことになります(最高55%)。
 譲渡損失が出そうな人は、得をする
 譲渡益が出そうな人は、損をする
 ということになりそうです。

他にもありますが、主だったことはこれぐらいです。
あくまでも、「要望」段階ですので、焦らないでくださいね。
また税制改正大綱(要望よりも確実性が高い)が発表されたら、お伝えします。