平成28年税制改正要望(各府省庁まとめ)①
平成28年税制改正要望が各府省庁から出そろいました。
①税制改正要望⇒②税制改正大綱⇒③税制改正
現時点では①の段階です。
これは、②へ進むものもあれば、進まないものもありますので
あくまでも、まだ「案」といったイメージです。
ただ、数年後には②へ進んでいくなど
今後の税制改正の方向性が見えるので
是非、一度見ておいてください。
【企業版ふるさと納税】
ふるさと納税は、地方への寄付金額を
個人の税金から控除してくれる制度です。
その制度を法人でも取り入れましょう!という要望です。
法人でも新たな節税対策になりそうです。
寄付の対象は個人よりも制限されそうです。
裏返すと、そういった対象商品を扱っている業者になれれば
ものすごい売上になりそうですね。
【三世代同居に係る軽減措置】
三世代同居かつ、孫が中学生以下の場合、以下の二つの優遇措置を要望しています。
・リフォーム費用のための借入の年末残高の5%を所得税から控除(5年間)
・小規模宅地特例を80%から90%へ引き上げ
相続税対策がまた一つ増えますね。
【結婚・子育て資金の一括贈与の拡充】
直系尊属(両親や祖父母など)が、子や孫などに対して
結婚・妊娠・出産・育児に必要な資金を贈与した場合、一定額を非課税とする制度。
この制度は平成27年4月からスタートしています。
この対象となる費用の拡充を要望しています。
(現行)
・挙式費用
・新居住居費
・引越費用
・不妊治療費用
・出産費用
・産後ケア費用
・子の医療費
・子の保育費(ベビーシッターも含む)
(拡充内容)
・不妊治療費のうち、薬局に支払う医薬品代(処方箋に基づくものに限る)
・産前産後の母親の医療費、薬局に支払う医薬品代(処方箋に基づくものに限る)
・母親の産後検診費用
少子高齢化対策はどんどんやってもらいたいです。
【生命保険料控除の拡充】
所得控除の一つである、生命保険料控除について、その枠の拡充の要望です。
(現行)4万円×3(生命保険、介護保険、個人年金)=12万円
(拡充)5万円×3(生命保険、介護保険、個人年金)=15万円
生命保険団体からいろいろと圧力があったのでしょうか。
保険やさんから、「見直ししませんか?」とお誘いが来そうです。
見直しで損しないようにしてください。
【少額減価償却資産の損金算入の延長】
中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、
全額損金算入できる制度です。
平成28年3月末までの適用でしたが
平成30年3月末までに延長を要望
この要望はそのまま通るのではないでしょうか。
平成15年に創設されて、そこから延長の更新が続いていますし
今の経済状況や消費税増税を考えると、
廃止にはできないでしょう。
【たばこ税の引き上げ】
私はたばこを吸いませんが、また引き上げられるんですね。
要望書には
「オリンピックに向けてタバコフリーな環境を目指す」
「国民の健康の観点からタバコの消費を抑制することを目的」
と記載されています。
建前が重要ですね!
【一般用医薬品等に関する所得控除制度
の創設】
セルフメディケーション(自己治療)推進のため
一般用医療薬品等を年間1万円以上購入した世帯に対して
「支払額-1万円」(上限10万円)を所得控除とする。
これは、以前からセルフメディケーションの重要性について
税制改正大綱でも記載されているので、今年もしくは来年くらいで
入ってくるのではないでしょうか。
【個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設】
上記と同じような制度です。
具体的には、がん検診、特定健診、予防接種、人間ドックなどに要する費用の
自己負担額が年間1万円を超えた世帯に対し、
「支払額-1万円」(上限10万円)を所得控除とする。
【交際費課税の特例措置の延長】
現在、交際費については以下の軽減措置が適用されています。
①飲食費の50%を損金算入
②800万円まで全額を損金算入できる(中小法人のみ)
中小法人は①と②の有利選択
現行は、平成28年3月末までですが
これを2年延長するという要望です。
これも通るでしょう。
ちなみに、1990年代は6兆円あった交際費が
現在では3兆円前後だということです。
延長というより、拡充してほしかったですが。。
大企業も一定額まで全額損金算入OKなどにしてもらったら
経済活性化になると思うのですが、
やはり、それはそれで支障があるんでしょか。
【サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長】
この制度はサービス付き高齢者向け住宅を新築した場合
減価償却費を早期計上できる制度です。
①平成27年3月末までに取得し、又は新築したものについては
5年間2.8割増(耐用年数35年以上のものについては4割増)
② 平成27年4月1日から平成28年3月末までの間に取得し、又は新築
したものについては、5年間 1.4 割増(耐用年数35年以上のものについて
は2割増)
で償却する。
この現行制度に対して、医療・介護施設の併設要件を追加し、
②の適用期限を2年間延長(平成30年3月末)とすることを要望