金融機関インタビュー(新規購入時編)
先日、金融機関の人にインタビューをさせてもらいました。
もちろん名前は公表できませんが
某大手の金融機関(全国区)の方です。
【新規購入時の評価方法】
「物件の評価」と「属性の評価」を行います。
「物件の評価」は収益還元方式。
収入-固都税-修繕費-管理費-保険料-税金-元利金
で計算します。
・収入はレントロールをみて9割以上入っていれば満室で評価。
・修繕費は、建物の時価×0.5%(これは大規模修繕費を含めない)
・管理費は、賃料10%
・金利は、2~3%
このような条件のようです。
ある程度ストレスをかけてみています。
それとは別に、「収益担保評価」というものも行います。
よく似ているのですが、
(収入-固都税-修繕費-管理費-保険料)÷利回り
で担保価値を測定。
・ここでの修繕費は、建物の時価×1.5%(ここでは大規模修繕も考慮する)
・利回りは、地域によって細かく分かれている。
例えば、大阪市などの中心地であれば、5%~7%ぐらいか?
この辺は個別に分かれているので、詳細は分からず。
やはり、レントロールで埋まっていることはとても重要ですね。
実際の修繕費や管理費はあまり関係なさそうです。
また、金利も実際は1%前後で借りれる人でも
ストレスをかけるので2%~3%とのこと。
そして次に「属性評価」
これは、物件ではなく、個人の評価です。
金融資産+自宅の評価-借入等の負債
・個人や法人を持っている人は、それらも合算して金融資産の金額を算定します。
・自宅の評価ですが、これは売却相場(特にマンションなどは相場が分かり易いのでその金額を使う)
ただし、戸建ての場合は、土地は公示価格ベース(路線価よりも高くなる)、建物は構造と築年数を加味して評価。
ここで気になるのは、「収入」です。
収入は属性評価に入らないのか聞いたところ
「入らない」との回答でした。
収入が高ければ、それが金融資産として残るはず(投資している場合は不動産などの資産のなっているはず)
ですので、収入(フロー)ではなく資産(ストック)で評価するようです。
ちなみに、
「サラリーマン大家にも融資してくれるのか」
という、質問には、
「今はノー」
とのことでした。
(相続税対策や上場企業の役員等の一部を除く)
単純にサラリーマンが収益物件を購入する際は
基本的に融資できないとのことです。
これが、相続税対策となると、
とりあえず検討してもらえるようです。
では、
「個人事業主や経営者なら融資してくれるのか?」
という、質問には
「イエス」
売上は1千万円ぐらいでも検討はしてくれるそうです。
もちろん、検討するだけで融資はするかどうかは
上記の収益還元評価などによりますが。
とにかく重要なのは、金融資産。
これをたくさん持っていれば
やはり強いとのこと。
最後に、
「複数の法人を持っているのはまずいのか?」
この問いには
「基本的には怪しんで見ている。理由がしっかりしていればいいが
審査担当者はそういうのを嫌う傾向がある」
とのこと。
「理由とは?」
「例えば、相続対策で子供が二人いるので2法人など。。。」
とのことでした。
もちろん、今回聴いたことが全てではないので
その辺はご了承ください。
あくまでも参考程度に読んでください。
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金融機関インタビュー(格付編2) | 塩田会計事務所
2020年4月11日 @ 5:46 AM
[…] (詳しくは5月28日の「金融機関インタビュー(新規購入時編)」参照) […]