金融機関インタビュー(格付編2)
格付に関することばっかりで申し訳ありません。
たまたま、先ほど飛び込みで
某大手金融機関の方がうちの事務所に来られたので
そこでまた、根掘り葉掘り聞いてみました。
格付けについては
5月31日の「金融機関インタビュー(格付編)」でも
別の金融機関の人に聞いたのですが
認識は同じでした。
つまり、
「正常先」であるかどうかが重要とのこと。
正常先の中で、どのランク(A~Fなど)は特に気にしない。
つまり、自己資本比率や売上高経常利益率などの指標は
実は、融資の時にはあまり気にしていない。
では、「正常先」と「要注意先など」の線引きは何なのか。
これですよね。
A.過去3年の経常利益が赤字かどうか?
B.債務超過かどうか?
C.全然別の指標?
答えは
「C.全然別の指標」でした。
おーっという感じですね。
【A.赤字かどうか】
節税対策で経費をたくさん計上している人が多いので
これは、作文力で調整可能
【B.債務超過】
内容によるが、1年目2年目の赤字や債務超過は
作文力で調整可能。
また、役員借入金を自己資本とみなすことで
債務超過⇒実質資産超過
にもって行けるとのこと。
ただし、注意が必要です。
「役員借入金」を「資本金」と同じように
自己資本としてみなす場合には条件があるそうです。
「役員借入金」が減っていないこと。
役員借入金の残高が維持されているか、増加している場合には
実質的に「資本金」と捉えてくれるようです。
(若干のマイナスぐらいなら大丈夫とのこと)
「若干」って、どのくらいか?
それは分かりません。
【C.全然別の指標】
お待たせいたしました。
では、どの指標なのか。
答えは、
「債務償還年数<残存耐用年数」
実は、5月30日の「金融機関インタビュー(既存融資先評価編)」にも書いていたのですが
ここがとても重要だとのことです。
債務償還年数の算定方法ですが
通常は
「有利子負債÷(経常利益+減価償却費)」
ですが、ここは
「(固定資産-自己資本)÷キャッシュフロー」
※固定資産は簿価で計算します。
遊休資産などであれば、時価評価する
※キャッシュフローは基本的には物件からのキャッシュフロー
ここがポイントになりそうです。
金融機関の人がキャッシュフローを算定しようと思うと
何から算定しますか?
「決算書」ですよね。
なぜなら、「決算書」しか提出していないから。
ここをもっと丁寧に説明資料を提出すれば
この指標に用いるキャッシュフローは改善され
債務償還年数はかなり改善されそうです。
こちら(債務者)の作文と
あちら(債権者)の作文と
両方が重要になりそうです。
そして、「正常先」となれば
次は物件評価と属性評価ですが
やはり基本的には物件評価は融資額よりも低めで出るとのこと。
(詳しくは5月28日の「金融機関インタビュー(新規購入時編)」参照)
例えば、1億円の物件について
物件評価が6割(6千万円)だったとします。
では、6千万円しか融資が出ないかというと
そういう事ではなく
残り4千万円について
金融資産がある
本業のキャッシュフローがある
などからOKであれば
融資額の75%まではとりあえず出せるそうです。
その後、融資額をもっと大きくしたければ
やはり定期預金を入れてください
というように
他の部分で「保全」が必要になってくるとのことです。
ちなみに、話は変わりますが
5月28日の「金融機関インタビュー(新規購入時編)」で
出てきた「利回り」ですが
築年数にもよりますが
大阪市で6.5%~7%ぐらい
少し離れたところでも8%~9%とのことでした。
10%超えるのはほぼ見たことがないとのことです。
そして、サラリーマン大家は
やはり今はやり難いとのことでした。
その理由としては
(ストレスをかけた)収支計算した時に、
マイナスになった場合
そのマイナス部分を本業のキャッシュフローで充当して
融資OKという判断をするようなのですが
このキャッシュフローの充当が給与だと難しいとのことです。
ここで記載しているのはあくまで
一個人の方に口頭でインタビューした程度なので
全てに共通することではありませんので
ご了承ください。
でも、何となく見えてきました。
不確かな部分もありますが
色々効いていくと
大枠はつかめてきました。
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